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エアコンのポンプダウン作業【自分でやるための完全マニュアル】

エアコンのポンプダウン作業は、冷媒ガスを室外機に封じ込めるための重要なメンテナンス手順です。これを正しく行うことで、エアコンの性能を維持し、長寿命化を図ることができます。しかし、専門的な知識が必要とされるため、初めて挑戦する方にとっては敷居が高く感じられるかもしれません。この記事では、日本国内で一般的に使用されているエアコンを対象に、自分でポンプダウン作業を行うためのステップバイステップのガイドを提供します。

目次

エアコンのポンプダウンとは何か

ポンプダウンは、エアコンの冷媒ガスを室外機に回収する作業です。

エアコンのメンテナンスや移設時に重要なプロセスで、冷媒ガスを大気中に放出せずに回収するために行います。

具体的には、エアコンの配管内に残った冷媒をコンプレッサーを使って室外機の中に集め、安全に取り扱える状態にすることが目的です。

この作業により、環境への負荷を低減し、エアコンの性能を維持することができます。

ポンプダウンに必要な工具と準備

  • 最低限必要な工具リスト
  • 作業前の準備と注意点

について解説していきます。

最低限必要な工具リスト

エアコンの「ポンプダウン」を行う際には、最低限必要な工具リストを揃えておくことが重要です。

まず、真空ポンプが必要です。これにより、配管内の空気を完全に除去し、システム内の真空状態を保つことができます。

次に、ゲージマニホールド(圧力計)が必要で、これを使用して冷媒の圧力を正確に測定します。

さらに、トルクレンチも欠かせません。これは、接続部の締め付けトルクを正確に管理するために使用します。

最後に、フレアツールキットを用意してください。

これにより、配管の端をフレア加工し、接続部の気密性を高めることができます。

作業前の準備と注意点

エアコンの「ポンプダウン」作業を行う前に、まずは必要な道具を準備しましょう。

真空ポンプ、ゲージマニホールド、ホース、バルブコアツールなどが必要となります。

次に、作業エリアの安全確認も重要です。エアコンの周囲に障害物がないか、電源が確実にオフになっているかをチェックしてください。

また、作業中に冷媒が漏れる可能性があるため、保護メガネや手袋の着用も推奨されます

さらに、エアコンの「取扱説明書」を確認し、メーカーが推奨する手順を守ることが大切です。

特に注意すべきは、冷媒の取り扱いです。適切な手順を踏まないと、環境に悪影響を与えるだけでなく、法令違反になる可能性もあります。

エアコンのポンプダウン手順

  • 1.室外機を冷房で5分間稼動させる
  • 2.室外機カバーをプラスドライバーで外す
  • 3.モンキースパナでバルブキャップを外す
  • 4.チャージポートのバルブキャップを外す
  • 5.ゲージマニホールドを接続する
  • 6.六角レンチで細管のバルブを締める
  • 7.ゲージのメモリが0以下になるのを確認
  • 8.太管のスピンドルバルブを締める
  • 9.冷房稼動を停止する

について解説していきます。

1.室外機を冷房で5分間稼動させる

エアコンの「ポンプダウン」を行う際、まず室外機を冷房モードで5分間稼動させることが重要です。

この手順により、冷媒ガスが室外機側に集められ、効率的に作業を進めることができます。

稼動中は、室内機のバルブを閉めることで冷媒が室外機に戻るのを確認します。

このプロセスを適切に行うことで、冷媒の漏れを防ぎ、エアコンの性能を維持することが可能です。特に、夏季の高温時には冷房モードでの稼動が効果的で、室外機の温度を適切に管理できるため、作業の安全性が向上します。

2.室外機カバーをプラスドライバーで外す

エアコンの「室外機カバー」を外す際、まず「プラスドライバー」を用意します。

作業前に「電源」を切り、安全を確保しましょう。次に、カバーを固定している「ネジ」を確認し、慎重に取り外します。

ネジを無くさないように注意しながら、全てのネジを外したら、カバーを丁寧に取り外します。

この作業は「ポンプダウン」作業の一部として行われることが多く、定期的なメンテナンスの一環です。カバーを外した後は、内部の汚れや異物をチェックし、必要に応じて清掃を行います。最後に、カバーを元に戻し、ネジをしっかりと締め直して作業完了です。

3.モンキースパナでバルブキャップを外す

モンキースパナを使ってバルブキャップを外す手順は、エアコンの「ポンプダウン」作業において重要です。

まず、エアコンの電源を切り、安全を確保します。次に、モンキースパナを使用してバルブキャップをしっかりと掴み、時計回りに回して緩めます。

このとき、無理に力を入れず、慎重に操作することが大切です。

バルブキャップが外れたら、内部のバルブステムを確認し、必要に応じて清掃します。

バルブキャップの取り外しは、冷媒の漏れを防ぐための重要なステップであり、適切に行うことでエアコンの性能を維持することができます。

4.チャージポートのバルブキャップを外す

エアコンの「ポンプダウン」を行う際、まずチャージポートのバルブキャップを外します。

バルブキャップは、冷媒の漏れを防ぐ重要な役割を持っています。

キャップを外す前に必ず工具を準備し、適切な手順を確認してください。

キャップを回す際には、力を入れすぎないよう注意が必要です。

破損を避けるため、ゆっくりと丁寧に回してください。

バルブキャップを外した後、次のステップに進み、エアコンの「ポンプダウン」作業を行います。

冷媒を回収するための装置を接続し、適切な手順で操作します。冷媒が完全に回収されるまで、作業を続けることが大切です。

作業が完了したら、バルブキャップを元に戻し、しっかりと締め直します。

5.ゲージマニホールドを接続する

ゲージマニホールドを接続する際は、エアコンの「ポンプダウン」作業が重要です。

まず、エアコンの電源を切り、サービスバルブのキャップを外します。

次に、低圧側のホースをサービスバルブに接続し、高圧側のホースは高圧バルブに接続します。ゲージマニホールドの中央ホースを真空ポンプに接続し、ポンプダウンを開始します。

真空状態が確認できたら、ホースを外し、バルブを閉めます。最後に、エアコンの電源を入れ、正常に動作するか確認してください。

こちらの動画が参考になります。

参照:電気の便利屋デンリ 様

6.六角レンチで細管のバルブを締める

エアコンの「ポンプダウン」作業では、細管のバルブを適切に締めることが重要です。

六角レンチを使用する際は、まずバルブのサイズに合ったレンチを選びましょう。

バルブが緩んでいると、冷媒が漏れる原因となります。

バルブを締める際は、過度な力を加えず、適度なトルクで締めることが求められます。

特にエアコンの「ポンプダウン」作業中は、冷媒の回収が完了するまでバルブを確実に締めることが大切です。

作業後は、漏れがないか確認し、必要に応じて再度調整することを忘れないでください。

7.ゲージのメモリが0以下になるのを確認

エアコンの「ポンプダウン」作業を行う際には、ゲージのメモリが0以下になることを必ず確認してください。

まず、エアコンの運転を冷房モードに切り替え、室外機のバルブを閉じます。

この状態で、冷媒が室外機に戻るまで待ちます。

次に、ゲージマニホールドを使用して圧力を確認します。

ゲージのメモリが0以下になると、冷媒が完全に室外機に移動したことがわかります。

この状態で、室内機側のバルブを閉じ、エアコンの電源を切ります。

これにより、冷媒が漏れることなく安全にポンプダウンが完了します。

8.太管のスピンドルバルブを締める

太管のスピンドルバルブを締める際には、まず「エアコン」の電源を切り、必ず安全を確保してください。

次に、冷媒を外部に放出しないようにするために、ポンプダウンを行います。

ポンプダウンは、冷媒をコンプレッサー内に集める作業であり、環境保護の観点からも重要です。

具体的には、エアコンの冷房運転を開始し、低圧側のバルブを閉じて冷媒を圧縮機に集めます。

その後、スピンドルバルブを「時計回り」に回して締めます。

適切に締めることで、冷媒の漏れを防ぎ、エアコンの性能を維持することができます。

最後に、作業が完了したらエアコンの電源を再度入れ、正常に動作するか確認してください。

9.冷房稼動を停止する

エアコンの「冷房稼動を停止する」際には、ポンプダウン作業が重要です。

ポンプダウンは、冷媒ガスをコンプレッサー内に回収する手法で、環境への影響を最小限に抑えます。

まず、エアコンの電源を切り、室外機のサービスバルブを閉じます。

その後、冷媒ガスが室内機から室外機に移動するのを待ちます。

完全に移動したら、サービスバルブを完全に閉じ、電源を再び入れることなく作業を完了します。

強制冷房運転の方法

商品によって強制冷房運転の方法が変わります。

強制運転時に室外機が回っているか確認してください。

また暖房運転になっていないかも確認してください。

  • パナソニックのエアコン
  • 東芝のエアコン
  • 富士通のエアコン
  • ダイキンのエアコン
  • 日立のエアコン
  • 三菱電機のエアコン

パナソニックのエアコン

パナソニックのエアコンは、強制運転を5秒以上長押しすることで運転できます。

パナソニック株式会社

パナソニック株式会社
ホームアプライアンス社
エアコンビジネスユニット カスタマーサービスグループ
TEL:077-567-9811

東芝のエアコン

東芝のエアコンは、応急運転・強制冷房運転・自動運転のいずれかのボタンを運転停止中に10秒以上長押しします。

東芝

東芝エアコン空調換気ご相談センター
フリーダイヤル : 0120-1048-00
携帯電話・PHS : 0570-78-3885(通話料金:有料)
FAX : 0570-02-1048(通話料金:有料)
受付時間 : 365日/9:00~20:00

富士通のエアコン

富士通のエアコンは、応急運転を10秒以上長押しします。

富士通

株)富士通ゼネラル コールセンター
TEL:0570-089-333(ナビダイヤル)
PHSからのご利用は、TEL:044-857-3000

ダイキンのエアコン

ダイキンのエアコンは、運転・停止ボタンを5秒長押しします。

ダイキン

0120-88-1081(全国共通フリーダイヤル)
FAXでのお問い合わせ 0120-07-0881(FAX専用フリーダイヤル)
http://www.daikincc.com(ご相談対応ホームページ)

日立のエアコン

日立のエアコンは、応急運転5秒以上長押しします。

日立

日立家電エコーセンター
TEL 0120-3121-68
FAX 0120-3121-87

三菱電機のエアコン

三菱電機のエアコンは、応急運転ボタンを押します。

三菱電機

三菱電機お客さま相談センター フリーコール  0120-139-365
携帯電話・PHS  03-3414-9665(有料)から

三菱重工のエアコン

三菱重工のエアコンは、電源ボタンを5秒以上長押しします。

三菱重工

三菱重工サービスフロントセンター
フリーダイヤル 0120-975-365

ポンプダウン時の注意事項と対策

  • 作業中にその場を離れない
  • フレアナットを緩めない
  • 無謀な取り外しは避ける
  • ポンプダウンが失敗した場合の対策

について解説していきます。

作業中にその場を離れない

エアコンの「ポンプダウン」作業中にその場を離れないことは、安全性と効率性を確保するために極めて重要です。

作業中に発生する可能性のあるトラブルに迅速に対応するため、常に現場にいることが求められます。

特に冷媒ガスの回収や圧力の監視が必要な場合、作業者がその場を離れると機器の故障や環境への悪影響が生じるリスクが高まります。

さらに、エアコンのポンプダウン作業は専門知識が必要であり、適切な手順を守ることが不可欠です。

作業中に電話や他の業務に気を取られることなく、集中して作業を行うことで、効率的かつ安全に作業を完了することができます。

フレアナットを緩めない

エアコンの「ポンプダウン」作業中、フレアナットを緩めないことは非常に重要です。

フレアナットを誤って緩めると、冷媒ガスが漏れ出し、エアコンの性能低下や環境への悪影響を引き起こします。

特に、冷媒の漏れは法的にも厳しく規制されており、適切な処置が求められます。

作業を行う際は、必ずマニュアルに従い、フレアナットの取り扱いには十分な注意が必要です。

また、専門業者に依頼することで、安全かつ確実な作業が保証されます。エアコンの「ポンプダウン」作業は、冷媒の回収を目的としており、フレアナットを緩めないことで、冷媒の無駄を防ぎ、環境保護にも貢献します。

無謀な取り外しは避ける

エアコンの「ポンプダウン」は、冷媒を回収し、システム内の圧力を下げる重要な手順です。

しかし、無謀な取り外しは避けるべきです。

まず、適切な工具と知識を持つ専門家に依頼することが重要です。

自分で行う場合、冷媒の漏れやシステムの損傷を引き起こすリスクがあります。

特に、エアコンのコンプレッサーや配管にダメージを与える可能性が高いため、注意が必要です。

さらに、法律で定められた手順を守らないと罰金や法的処罰を受けることもあります。

したがって、安全かつ確実に作業を行うために、専門家の手を借りることを強く推奨します。

ポンプダウンが失敗した場合の対策

ポンプダウンが失敗した場合の対策として、まず「エアコン」の電源を切り、再起動を試みます。

次に、冷媒漏れがないか確認し、必要ならば専門技術者に修理を依頼しましょう。

特にコンプレッサーやバルブの故障が原因の場合、部品交換が必要となります。

また、ポンプダウン作業中に圧力計を使用して、適切な圧力が維持されているかをチェックすることが重要です。

さらに、作業前にエアコンの取扱説明書を熟読し、正しい手順を理解しておくことも失敗を防ぐポイントです。

これらの対策を講じることで、ポンプダウンの失敗を最小限に抑えることが可能です。

まとめ

ポンプダウンの重要性と正しい手順

エアコンの「ポンプダウン」は、冷媒ガスの回収を目的とした重要な作業です。

この手順を正しく行うことで、エアコンの性能を維持し、環境保護にも貢献できます。まず、エアコンの電源を切り、室外機のバルブキャップを外します。

次に、低圧バルブを閉じ、エアコンを冷房運転に設定して運転開始します。

冷媒が室外機に集まったら、高圧バルブを閉じて運転を停止し、バルブキャップを元に戻します。

これでポンプダウンが完了です。この手順を守ることで、エアコンの寿命を延ばし、効率的な運転が可能になります。

一般社団法人マジ起おそうじビジネス協会

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